書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

30歳のボクが「料理」について思うこと

 

人を良くすると書いて「食」

 

 「食を摂ること」もそうであり、なおかつ「食を作ること」もそれと同じくらい人を良くすることだと思っている。

 

 料理は、人間活動の維持に欠かせないほど重要なものである。味には、具材や料理法の他に作り手の人間の感情までもそこにスパイスされる。投げやりに創作されたものは、味わいに奥行きがなく短絡的になりやすい。愛情を込めて創作されたものは、いつまでも口の中に含んでいたいくらい虜にさせる。

 

 料理を作った後というのも特別な達成感を味わえる。ちょうど、己と向き合った自己内省の時間の後に訪れるそれと似ている。料理とは、換言すれば、必死に自分と向き合うことなのだと思う。

 

 本当に食べたいもの、本当に摂取したいと心と身体が待ち望むものを必死になって探り当てようとする。その探索の時点から、食へ向き合う時間は始まっている。

 

 美味しい料理を食べてもらって「ありがとう」と言ってもらう。美味しい料理を作って、よし次も作ろうと決心する。食後でさえ、まだエネルギーがほとばしっている。これほどまでの「食」にまつわるすべての動きを「人間活動の源」以外になんと形容できようか。

 

 あと50〜60年? まだまだ私は料理のことをぜんぜん知らないし、もっと知りたい。これからも私は、心の奥底から聞こえる本当の声に耳を傾け続けるであろう。