本日、西国三十三所の記念イベントが開かれている京都国立博物館へ行ってきました。
実は、西国三十三所の成立にはまだ謎が多いそうです。今まで当たり前のように耳にし、素通りしてきたことがそういうことだと知ると途端に燃える。あると思います。
いきなり名前を忘れましたが、成立に深く関わったとされる人物が描かれた掛軸が、館内入口にてお出迎えしてくれました。館内写真撮影NGだったので字面だけでお楽しみください。
あ、ちなみに僕はこういう仏像とか仏教とかの類の展覧会が大好きです。ただ、それ以上でもそれ以下でもございません。それで察していただければこれ幸いです。
なぜ好きかというと、グッと心臓を掴まれたように引き込まれるからです。また仏像を目前にするとつい手を拝みたくなるのは、日本人の血が流れているという実感を改めて起こさせてくれます。
さて、本題です。今日の感想をば。
混沌とした絵巻、神々しく壮大な絵巻、月と太陽が一つずつある絵巻。本当に不思議ですよね。
・説明文に注目!
仏像や銅像等展示物には説明書きがなされています。歴史的考察がともなっているところが面白いです。「この像は、A時代特有の特徴がみられるため、A時代の創作ということが推測される」等。中には「大変珍しい」「大変希少な」という文言がみられることもあります。僕としてはここが非常にそそられるポイントなのです。
えっ、なんでそんなに珍しいの?と目を光らせ、なんとか当時の情景を連想し、専門家による説明文も鑑みつつ稚拙ではありますが、個人的考察(というより推理、というよりただの閃き)を開始する瞬間がたまらなく好きでまさにロマンだなと思います。
何百年も前のことなのに、思いを通わせられるところに歴史の面白さと懐の深さを感じます。
・絵巻について語る
たとえば、「あの世を描いた絵巻」を一度想像してみてください。なんとなく歴史の授業のときの記憶がある人は、ぼんやりと輪郭くらいは思い出せるはずです。
そう、おどろおどろしい あの極彩色の年季の入ったあの感じです。今回はスペシャルな展覧会ということで様々なサイズ、種類の絵巻が展示されていました。肖像画なんかは、普通は畳の上にそのまま足を組んでいますが、天皇といった高位の人になると唐草模様の座卓が敷かれていたり。その細かな情報で色々と想像するのも楽しいです。
そして、絵巻展示コーナーでも出てきました。「当時の最高傑作」という文言。そう言われたら、どれ見てやろうかと前のめりになるのが人間の性です。食い入るように目を凝らしたら確かにスゴイのです。何百年前の作品というのにスゴイ色鮮やかだし、人物、動物、背景がイキイキしちょる!千鳥ノブ風の話し方になるくらい圧倒的なものでした。
・最強のクリエイターたち!
これらは大変圧巻で、眺めてるだけでも魂を吸いとられそうな程なのですが、これらを創作した当時のクリエイターさんも本当にスゴイと思いました。もはや、仏様がその絵師さんや彫師さんに乗り移って創らせたとしか思えません。その意味でご利益があったり、信仰対象とされてきたのでしょう。そもそも美しくないもの、威厳を感じないものをあまり信仰しようという気にもなりませんからね。
仏像の中には、一本の木からすべてを作り出したものもありました。腕、頭、腰に巻くヒラヒラすべてが一本の木から彫られたのです。特に腰に巻くヒラヒラ(正式名称ではない)の風になびいているような彫り方をできる当時の職人は、素人目からみても人間国宝級だと思います。
・まとめ
以上。とまぁ必ずしも本日の感想を伝えきれてはいないですが、僕がどうして仏像に感動しているのかは多少なりとも伝わったんじゃないかと思います。
というか、こんなにたくさんの重要文化財が一挙集結していることが尊く素晴らしい。本来は、寺や神社一つ一つお参りしてやっと拝められる代物ばかり。それらを国立博物館に運ぶのも大変な苦労だし、入館料1600円はかなり良心的だと思います。
話が逸れましたが、これからもたくさんパワーをもらって、物事を広く考えられるような大きいサイズの人間になりたいものですなあ。
p.s.
みんな、馬頭観音坐像って知ってる?
今日鎮座されてたんだけど、本当にすごいよあれは…