仏教原典の現代風訳の本をよんでいるのだが、そこでハッとする一文に出会った。
お金と時間はほんとうは自分のものではない
これまでの人生において、たくさんの人の助けを借りながら生きてきたのだから、その中で得られたものは、完全に自分だけのものとは言い難いというような内容であった。
だから、すべての命と時間と財産はいったん、お預かりしてるという感覚をもって日々生きるべしと。
そのくらいが人間が驕らずちょうどいいくらいの意識感なのだと思う。じっさい自分が会社を辞めたりしたら、次の世代が矢面に立っていく。そのときに、自分の時間とかの財産をお返しすればいいのだ。家族、恋人、パートナー、友人たちに対してももちろんだ。
自分だけのものではない、あくまでこの肉体も心もすべてお預かりしているものだという認識をもてば、日々無駄に過ごすことなく、誰からも好かれるような謙虚で力強い人間になれる気がした。それほどこの言葉には底力がある。クヨクヨしていられない。前を向いて生きねば。きっと私たちの明日は誰かにお返しするためにある。