書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

人はなぜ悪いことほど想起してしまうのか

 

 10個あった良いことより、1個あった悪いことのほうを思い起しがちである。ただ漫然と何か思考しているとひとりでに沸いてでるのは、やはり悪いことである。悪いことのあとにそれだと悲しくなるからといって、無理やり最近あった良い出来事を思い出そうとするのである。自然発生型の悪いことに対して、強制発生的に良いことを想起し、バランスをとろうとするプログラムが脳に仕組まれているかのようだ。シンプルに考えてみた。

 

 人は悪いことを起こしてしまった場合、次の感情がうまれる。なぜこうなったのだろうか。もう二度と同じ過ちを犯したくないという感情である。それがトリガーとなって、悪いこと予防策の設置に躍起になるのである。ここに、良いことといった悪いこと以外の出来事を思考するスペースは残されていない。次に備えるべき課題への対策づくりで、脳は忙しいのだ。

 

 ということで、人間が悪いことほど想起してしまう理由は、予防手段を考えることが何よりも最優先事項となり、他のことを考えるキャパシティが失われてしまうためである。過去に起きた良いことは、脳にとっては逆に味気ないのだろう。あと残されたやることといえば、再度想起し、ニンマリするくらいしかもうそれ以上やることがないからである。