書くザトウクジラ

文字に、全振り。

「関係者以外立入禁止」の違和感

 

あらゆるショップにおいて書かれ得るであろう9つの文字。オサレ店では「STAFF ONLY」筆記体で示されているのかもしれない。すごくやんわりした、しかも時代にあった言い方なのでこの表記については全然問題ないと思う。しかし、私が大嫌いなのは「関係者以外立入禁止」という頭が固すぎるうえに上から目線の命令口調の言い回しだ。まぁ確かにその言い方で100%合っているのだけれども。100人がみたら100人に届くメッセージ性なのだけれども。そういうことではないじゃん。人に読ませる気持ちになって考えたら、もっと良い言い回しの一つや二つできたはずである。ちなみに私の会社では、まさに「関係者以外立入禁止」の文字そのままが白地A4用紙に赤字でデカデカと印刷されている。たぶんこれが「関係者以外立入禁止」の最悪解である。無機質極まりない伝え方である。近頃のAIでももっと気の利いた言い回しはできる。だが職員のだれもコレに異を唱える者はいない。まぁみんな暇じゃないし、見慣れるとどうだって良い部類の事柄には違いないからね。ところで、本日昼食をとあるラーメン屋でいただいたのだけれど、なんとも粋だなぁと感じた言い回しがあったので紹介する。「スープ工房」と書かれていたのだ。すばらしい…100点だ… あまりの感動にラーメンを食べるときよりも唸ってしまった。スープ工房というからには、本当にそこでスープが日々生成されているのかもしれないが、もし実際そうでなくともこのネーミングセンスには舌を巻かざるを得ない。なぜなら、スープ工房と銘打つ時点で、客に「ここは我々が入ってはいけない場所だ」と直感させるからだ。おまけにちょっと憎めないポップな印象すら与えてくれる。だが、これを例えばよくある服屋さんのスタッフ部屋に当てはめたらどういうネーミングになるだろうか。筆記体STAFF ONLYにも勝る名前… なおかつ、客に立入ってはいけない場所と直感させられる名前… となると一つしかない。「只今縫製中」だろう。いや「縫製工房」のほうがベターかな。スープ工房に引っ張られ過ぎた、凡人のどうでもいい二者択一はつづく。やはりラーメン屋のスープ工房に勝るものはないようだ