書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

読書とは人生のプレイリストを増やすことである

 

人生のつらい時に出会った本、なにげなく古書店で出会った本、好きな人から勧めてもらった本。本との出会いには必ず何かしらのストーリーがある。半額セールで出会った本がただのかじり読みで終わるのは、きっとストーリーが圧倒的に少ないからだと思う。本はその気になればどこでも出会える。本屋でもネットでも。だから生身の人間との出会いとは比べ物にならないくらい出会いまくる。年間300冊の本を読むことと300人の友を作ることは、成し遂げることのハードルが違う。だが決して、本との出会いは、人との出会いに負けずとも劣ってない。なぜなら、本は一冊読むことは、新たな人生を追体験することと同義だからだ。それを私はこう呼ぶ、それまさに読書とは人生のプレイリストを増やすことなのだと。音楽を聴くととある風景が浮かぶように、本を開くととある残像が思い浮かばれる。生きていると、人生の局面で一冊の本のタイトルと背表紙が想起されることがよくある。心の中の本棚が呼応する瞬間。懐かしい気持ちと新しい気持ちの混在。それはまるで旧来の友人に久しぶりに相まみえるような感覚だ