書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

本は見つけるものじゃない、出会うものだ。

 

今やアマゾン等のネット書店で本を買うのが当たり前になっている。しかしその場合、「本と出会っている」という感覚からは残念ながらほど遠い。欲しい本をただ検索するために使っている。本とは本来、生身の人間との出会いのようにアナログであるべきだ。「リアル書店に足を運ぶ」という手間をかけてようやく出会えるもの。ワンクリックでクレジット決済が完了し、顔も名前も知らない第三者の配達業者から本を荷物としてただ受け取るだけ。本がモノ扱いされている。時間をかけ何ページも立ち読みし、ようやく気に入り、肌があうという感覚を大事にしたい。本屋のレジで、声も顔も知る生身の人間から本を受け取るほうが僕は好きだ。そんなアナログ体験をもって初めて「本を買う」「本を読む」という行為が成り立つのだと令和の今でも信じている。