書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

「今日の晩ごはん」という二人だけが知る秘密の暗号

 

家に帰れば肉じゃががある。今日の夕飯は肉じゃがだという情報を、特定の誰かと共有すること。それは秘密の暗号ともいうべきである。たとえば、SFの世界で、大事な人がロボットに置き換わっていたとしても、今日の夕飯のメニューを聞くことで本人か偽物のロボットなのか判別できるように。それくらい重要な機密情報なのだ。それはまるで現代版「山と川」 山と言ったら川と返すように。晩ごはんの秘密はその日限り、明日以降はまた違った暗号に切り替わる。そこもロマンティシズム。メニューが変わるたびに暗号も切り替わる。大事な人同士が持ちあうからこそ意味のあるもの、それが秘密の暗号である。