書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

退職する人が最後に渡す菓子の意味がわからない

 

 6月末で退職した同僚からお菓子をいただいた。ありがたく頂戴したが、どうも腑に落ちない。お菓子がきらいだと言っているわけではない。むしろ大好きだ。甘いものも塩辛いものもすきだ。日本のお菓子は総じてクオリティが高く当たり外れも少ない。

 私が危惧しているのは菓子そのものではない。そのタイミングでお菓子渡すの!?という、菓子のタイミング問題である。いわば菓子のTPOとも言えよう。

 中でもいちばん私の頭をなやませるのは、退職時の菓子である。そもそも職場での菓子というのは、旅行帰りの土産や、入院や出産などによる長期不在に対する謝罪やお気持ちなどといった意味合いがつよい。これらに共通するのは、「ご迷惑をおかけしましたが、これからもよろしくお願いします」という送り主の思いである。

 その職場菓子での大前提をぶち壊すのが、退職時の菓子だと私は思うのだ。なぜなら、今後去りゆく者にとっては、菓子贈与における肝心な要素である、職場における継続的関係がもう存在しないのである。

 そうとはいえ、それに関しては、いままでともに働いてきた感謝という意味合いがあるのではないか?とあなたは思うだろう。しかし、私に言わせれば、それは言葉で十分事足りると思うのだ。いままでありがとうございました、とちゃんと目を向けて精神誠意言うほうが大事だと思うのだ。

 それなのに、手元に添え菓子なんかがあればそちらに気を取られ目線も奪われてしまうだろう。人によってはヘラヘラもしそうだ。

 私は強く思う。いちばん大事な感謝の部分を、菓子でごまかしてはいけないと。ちなみに、こんなに語気が強いが私は老害等ではないのであしからず。31歳である。