書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

僕が他人に心をさらけ出さない理由

 

 ポッと言葉を一言発する。その瞬間から言葉は一人歩きをはじめる。相手の中でいくらでも妄想が広がっていく危険がある。

 

 言葉を向けられた当事者からさらにその他者へ、さらに他者たちへと伝達されていき、倍々ゲームとなって私の言葉が一人歩きしていく。最初のイメージも意味もまるっきり変わり果てることがある。

 

 たとえば、少し話はずれるが、私はエレベーターで上司と二人きりになっても、基本的に自分から話しかけない。シンプルに無駄だからである。気まずさなども感じない。エレベーターは何か話さなければならない空間ではなく、希望の階へ体を移動させる空間である。それに、ふとした不用意の会話でボロが出るのも勘弁だ。

 

 冒頭話に戻る。だからこそ、私はいい言葉をもっと循環させるために、日々自分の内部で「いい言葉」を生成させておく必要があると思うのだ。いい言葉はきっと自分を守ってくれるのだから。それが生まれるまでは、エレベータートークは我慢しておくことにする。