書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

電子書籍は非情である

 

 

あの薄いKindleの中に電子書籍なら何百冊と入る。

 

片手でページ送りもできて、蛍光ペンがなくとも、マーカーが引ける。21世紀で完成した新たな本の形態である。しかし、どこか味気ない。

 

小学生の頃、図書館で借りるときに、本の巻末にある貸出カードに記録していた世代としては、どこか物足りない。

 

あるとき、喫茶店や待合室で紙の本を手繰る人を見つけたら、いいなぁそれそれと思ってしまう。本を読みたいなと直感してしまう。

 

本はやっぱりあの形でないとダメなんだ

シワになるページがあるから良いんだ 

クタクタになった味のある本が良いんだ

お気に入りのブックカバーの手触りが好きなんだ

自分の時間と共に成長してきた本だからこそ分かりあえるんだ

 

 

どちらかと言うと、電子書籍は非情で、本は人思い。

 

自動車が発明されても、自転車がこの世から無くならないように。電子書籍が発明されても、紙の本は今後この先もずーっと無くなることはないんだと思う。

 

人に寄り添うよう生み出された本は、世界一優しい形をしている。