正月だからというだけで、目標を一つ立てなければという衝動に駆られる。きっかけとしては良いのかもしれないが、そもそもまるっきり叶えられない目標なら立ててもあまり意味はない。それならば、年始に関わらず、なにか大きな経験をしたときに立てる（立てざるを得ない）目標のほうが達成確率はあがるだろう。たとえば英語が話せるようになるという目標をただ年始というだけで立てた場合と、町で外国人観光客に話しかけられて自分も英語を話せるようになりたいと思い立てた場合なら、圧倒的に後者のほうが叶いやすいだろう。正月だからという理由での目標づくりは、例えるなら、安物買いの銭失いだ。今の自分にかならずしも必要ではないが、商品価格が安いからとりあえず買っておく。このように、正月だから目標をただ立てるということはキケンを孕むのである。正月は目標を立てる口実にするにはいちばん丁度いい、くらいの気軽な心構えでよいのだろう。
