書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

「マンガで分かる心療内科〜依存症編」を読んで

 

 


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 確かに本作は「読むだけで!スマホもゲームもやめられる!」の肩書きに恥じない名著である。

 小ボケもあり、登場キャラクターによる会話形式なので、飽きずにサクサク読み進められる。私は読了するのに1時間かからなかった。

 

気になった点を引用、コメントしていく。

 

 

ネットゲーム規制のない日本

 


p30より
韓国や中国ではネットカフェで長時間ゲームをして亡くなった方もいて社会問題になりました。特に韓国では2005年に10名がネット中に肺塞栓症などで亡くなっているのです。よって16歳未満に深夜0時から朝6時までネットゲームへのアクセスを規制するなどの対策もとられています。


一方日本だけがネット、ゲームについてよく言えば寛容、悪く言えば野放しでもある。ただでさえ多いネット依存症の方がさらに増えていく危険性があるのです。


>で、でも…ネット依存症だと何が問題なんですか…?誰にも迷惑かけてなければいいじゃないですか…!


(中略)
ドーパミンという快感を司るホルモンがあります。普段から出ているホルモンですが、依存的な行動ではこれが強制的に大量に出ます。特に1998年にロンドンのインペリアルカレッジの研究者が行った調査にヨブよると、「50分間ゲームをするとドーパミンの放出が2倍に増えていた」ということが分かっています。


>2倍…?それってどんなレベルなんですか?


比較までに覚醒剤を静脈注射するとドーパミンは2.3倍に増えます。

 

 
 深刻なゲーム、ネット依存症は国難として、そろそろ真剣に取り組まねばならない。その深刻さはスマートフォンの普及により、さらに拍車がかかっていると言える。国がやってくれないのなら、親や家庭、学校が主体となり食い止めるしかない。例えば国は、依存症対策教育を施した学校に対して、特別奨励金の寄付の検討を進めるなどして、具体的な仕組みを考える必要があるだろう。

 任天堂は無料アプリで、子供のゲームプレイ時間を親のスマホで確認できるものを提供している。だが、これも強制ではく一任性なので限界がある。国と一体となるより強固や仕組みづくりが必要だ。


 便利な世の中になったこと、それ自体は歓迎されることだが、そのテクノロジーに人間が飲み込まれダメになっては元も子もない。モバイル通信は次世代5Gのステージを迎え、なおさら現実との区別がつかなくなっている。綺麗に装飾された現実は、生身の現実より随分と居心地が良いものだろう。各社せっせと新型スマホを発売するのは良いが、ある程度の規制もセットで考える時機に差しかかっていると言える。

 

その他、私が気になったことを次章でピックアップする。

 

 

依存症のさまざま


ギャンブルから抜けられない理由
・リーチと当たりは脳が同じくらい興奮する
・アプリのガチャにも採用されている(リーチの演出など)


アダルトコンテンツの危険性
・最も依存度の高いインターネットコンテンツ
・過度な閲覧はEDにつながる場合がある
あなたが人生に接した中で「人生を変えた映画」や「心に残った本やマンガ」はあるはずだが、あなたの人生を変えるほどいい思い出になったアダルトコンテンツは無いだろう


行動の引き金をなくすことの重要性
・ニコチン依存症者は朝イチでタバコを吸う。アルコール依存症者も重度になると朝に迎え酒をする。
・ネットやゲームでも同じで、朝何より先にネットサーフィンやゲームをするのは実は最重症なのである。

 

他人を強制的にやめさせることの危険性
・ネットやゲームにおいて重要なのは「自分が積み上げてきたもの」という意識がある点。それは、あなたが積み上げてきた仕事や恋愛を強制的に取り上げられたときと同程度の影響がある。

 ・周囲が強制的に遮断するのは本人の世界を破壊する行為。実際にネットを解約された青年が家族を刺殺するという事件もあった。

 ・ネットやゲームは脳に悪い!とにかくやめろ!と強く言いすぎるのもかえって反発させる危険がある。依存から抜けるために何より重要なのは、居場所を確保することとされている。

 


心理学者による有名な実験

 

心理学者ブルース・アレキサンダー教授による実験。

 

「普通の水」と「ヘロイン入りの水」2種類の水のあるゲージに一匹のネズミをいれた場合、そのネズミはヘロイン入りの水ばかり飲み、死んでしまった。


一方、たくさんのネズミと豊富なエサ、遊ぶためのボールやトンネルを入れた場合、ヘロイン入りの水を飲むネズミは全くいなくなったという実験だった。

 

すなわち、生き物は「他の喜び」や「社会とのつながり」によって生活が充実すると依存しづらくなるのである。

 

 


マンガで分かる心療内科 依存症編(ネット・スマホ・ゲーム・ギャンブル・ポルノ) (ヤングキングコミックス)

 

 

まとめ


依存症の世界は想像以上に幅広く、そしておもしろい。(interesting「興味深い」のほう)

私は依存症の依存症にならない程度に、依存症についての理解を、自分を守るために深めたいと思う。


テレビ依存症とは言うが、ラジオ依存症とは言わない。
外食依存症とは言うが、自炊依存症とは言わない。


自分がついつい没頭してしまうような些細な日常行為に、仮に「依存症」とセットで名づけてみると、依存症か否かが分かる簡単な基準になるのかもしれない。

 

最後に一つ確認だが、ブログ依存症って言わないよな?