大雪の影響で依然として立ち往生が続いている、福井県坂井市での心温まるお話。
2月7日に国道8号沿いにある「餃子の王将」丸岡店が、ドライバーたちに無償で約500人前の料理を届けた。その裏には副店長の阪神大震災の記憶があった。
✱以下、下記リンクより抜粋。
炊き出しに至るまでの背景
酢豚に焼き飯、天津飯、ギョーザ、あんかけ焼きそば。店は雪のため前日から臨時休業だが、余った食材で7日昼過ぎから料理をつくっては、ドライバーたちのもとへ運んだ。「ほんとにいいの?」「今度また店いくわ」と喜んでくれた。
「こんなに一気に作り続けることは普段もない。歩いて持って行くのも一苦労でしたし、疲れました」と副店長の中山幸紀さん(41)。午前に店を訪れ、急きょ炊き出しを思いついた。上司に確認すると、「どんどんやって」と快諾が得られた。
阪神大震災の経験から
副店長の中山さんが思い立った理由には、1995年の阪神大震災の経験がある。兵庫県川西市の「餃子の王将」多田店でアルバイトしているときだった。
「水道も出ないのに、店長の発案で震災当日に無理やり店をあけて、ギョーザとかを出した。あのときのお客さんの顔は忘れられないんですよね。飲食をやっているなら、こういうときは人のためにやらないと」
ただ雪のため、出勤できるアルバイトは限られた。3年前にアルバイトを辞めていた近所の梅村莉奈さん(22)を急きょ呼び出した。梅村さんは「久しぶりにへとへとになったけど、やりがいがありました」と笑って話した。
幸せの連鎖
こういう心温まるエピソード、もっとたくさんあるはずなのに報道が少ないと思う。私は、今日の帰りに近くの王将でギョーザ定食を大盛りで頼みたい。こんな素晴らしいお話、思い出しながら食べるだけでも胸がつまる。
500人分の料理を提供するとなると、実売上でどのくらいになるか分からないのに、二つ返事で上司が快諾する、王将の社風もすばらしい。損得勘定だけで動いていない。
副店長が「一苦労だった」とあえて言葉にされているところも、いい。余計にそれが人情味あふれるというか、思いやりの人だと感じた。口では言いながらも実際の行動に移すところが、王将の副店長とか立場一切ぬきにして、すばらしいお方だ。
料理を提供されたドライバーの方の口から出た温かい言葉
ー今度また店いくわ。ー
阪神大震災時の炊き出しの経験、副店長の心ある決意、ドライバーの方の感謝の心。こうやって、少しずつ幸せな連鎖を紡いでいけば、少しずつ平和な世の中になっていく気がする今日この頃だ。