書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

世界の謎を知るために読書する

 

読書をする理由について尋ねられたら、今の私ならきっとこう答えるだろう。世界の謎を知るために読書をしていますと。ページを手繰るごとに、世界の謎に近づいてゆくような感覚だ。しかも少しずつなのがまたよい。一つの謎がまたさらなる謎を呼ぶこともあり、知の迷宮の土壺にハマってゆくのだ。動画のように倍速を許されない、神聖な行為、それが読書である。読書しているポーズは、人類のかっこいいポーズ10位には入ると思う。目の前の紙に、目の前の文字に対し、ただひたすらに向き合うこと。その矛先はいつの間にか読者の内面へと向けられ、結果的に自己の摩耗につながるのだ。今何してるの?こう聞かれたら、いま世界の謎と向き合ってるから忙しい、と前髪をかき上げていたい人生だった。