書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

秘密の書体「金釘流」を知ってますか?

 

金釘流は「かなくぎりゅう」と読みます。

まず、普通の感覚だと???になりますよね。

以下、アンサイクロペディアよりその意味をご説明します。

http://ansaikuropedia.org/wiki/金釘流

✱尚、本記事の専門的な情報はすべて、上記サイトを参照しております。

 

金釘流(かなくぎりゅう)とは、世界で最も盛んな書道の流派である。門下生は全世界で恐らく1億人を越すであろうと試算されるが、一部の有名人を除き、殆どの人はこの流派に属していることを口外しないため、正確な門下生の総数を計測することは不可能である。

 

なにやらトップシークレット的な、かつ世界で最も盛んな書道の流派のようです。そういうのに駆り立てられるのです。 特にオトコは。

 

 

存在を知るに至った経緯

そもそも私がなぜ、このようなマニアックな秘密書体を知ることになったのか?それはこれです。司馬遼太郎さんのある名作での一幕が私と「金釘流」との最初の出会いでした。

 

司馬遼太郎著『竜馬がゆく』の一幕より。

坂本竜馬が姉へ手紙を書こうとする場面

 

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軍艦操練所の門前で勝と別れた夜、竜馬はこの男にしてはめずらしく、寝つけなかった。昂奮している。

寝つけぬまま、寝床から這い出して、国許の乙女姉さんに手紙をかいた。

その手紙が、現在ものこっている。

文字は金釘流だがふしぎな雅趣があり、維新志士の書のなかでは、「最も風韻ゆたかな書風」といわれている。

 

文章もおもしろい。当時の書簡文の型にこだわらず、言いたいことを書いている。この点、古今、豊臣秀吉の文章とともに、書簡文の傑作とされている。

  

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余談ですが、「竜馬がゆく」ってとても面白いですよね。やはりロングセラーものにハズレは無い。歴史小説はほとんど読まないのですが、それよりも、坂本竜馬という一人の人間に対する興味が勝るので、少々難しい言葉や漢字があったとしても平気なのでございます。

 

もしも、「え。なんで今、あえて竜馬?」と聞かれたら、だんまりしてしまいますが、無論それは読みたくなったから、この一点に決まっています。脱線、失礼しました。

 

金釘流派の概要

さて、もっとこの謎めいた流派について深堀りしていきます。

この金釘流には、特に決まった筆記法は存在しない。存在するのは「いかに自分だけしか読めない字を書くか」という、一つの信念だけである。時々、信念を貫き過ぎて「自分にも読めない字」になってしまうのはご愛嬌である。

発祥は、人類が文字を発明した頃とほぼ同時代であり、少なくとも数千年の歴史を有する。

 

人類が文字を発明した頃とほぼ同時代に発明されたという、とんでもない新属性が追加確認されました。それにしても、決まった筆記法は無いようなので、みなさんも「いかに自分にしか読めない文字を書くか」という信念さえあれば、だれでも参戦OKのようです。

 

僕の場合は、この書体に魅了されたおかげで、次のこういった方面にも興味が沸いてしまいました。直筆で読むシリーズなんて、あるのですね。

 

直筆で読む「坊っちやん」 (集英社新書 ヴィジュアル版 6V)

直筆で読む「坊っちやん」 (集英社新書 ヴィジュアル版 6V)

 

 

だって、金釘流さえ解読できれば、どんな汚い(失礼)文字でも解読できそう。しかも、文豪の直筆でその文豪が書いた本を読むなんて最高の読書体験だと思いませんか?

 

 

信念に基づいて「金釘流」に挑戦!

「いかに自分にしか読めない字を書くか」という崇高な信念に基づいて、私も一筆ですが挑戦してみました。
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実はこれは左手で書いただけです(笑)

字をとにかく崩しまくるので、普段書くときに比べて、最後まで書ききるのに時間がかかりました。これほど書き手も読み手も困らせる字体を、私は他に知りません。

 

難解な分、読むスピードも必然的に落ちてきます。どうしても、一言一句を相手に噛みしめて読ませたいときは有効なのかもしれません。

 

いずれにせよ、文字を書くのはちょっと…という抵抗のある方は、「いや、わたしって金釘流の一派なので。」とシラを切ればいいと思います。

(正真正銘の金釘流の門下生が本記事を読んでるかもしれないのに…という危機感は皆無の筆者なのであった)