書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

NHK特集「哲学者ハイデガーの教え」感想

 

 

先日NHKで、哲学者ハイデガーの特集をしていた。その内容が今の私たちに必要なことだという実感があったので、ここに記す。


ハイデガーは言った
「根源的時間を生きよ」


根源的時間とは「今」を表す。


人間は現在に存在していながら、過去や未来で頭の中がいっぱいになりやすい。そのような人は、根源的時間を生きているとはいえない。


ハイデガーは、過去を「既在(きざい)」、未来を「到来(とうらい)」と言い換えている。既在とは「既に自分の中に在るもの」、到来とは「これから来るもの」という意味であり、過去も未来もすべて現在の自分に引き寄せることで、現在の問題として考えることができると説いている。


例えば、いつやってくるか分からない未来の地震を現在の自分に引き寄せると、現在の問題として考えられるため、余裕をもって準備がしやすくなる。


現在は過去でもあり、未来でもある。そう考えることで、現在の自分が、現在の問題として対処しようとするのだ。


危機的状況である昨今。過去はこれでよかったのか、未来は大丈夫か、多くのことが頭をよぎるが決定権があるのは紛れもなく「現在の自分」である。今できることを精一杯やることが、結果的に過去、未来どちらも大切にすることと同義なのである。