書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

言葉にするから、悩みがふえるのだ

 

 言語化旺盛の昨今、言語化こそが正しい、言語化できる人間が仕事ができるとか言われている。僕にはそんな今の時代の潮流が恐ろしく感じる。言葉とは、思考の過程、もしくは思考の結果だ。ぜんぶを言葉に変換しようとすると、考えなくちゃいけない面倒事が増えてくる。しまいには頭の中がパンクしそうになる。頭の中には、過去も現在も未来のことも全部ごちゃまぜに格納されていて、浮いたり沈んだりしている。解決されてない物事が山積みの中、言語化をおし進めようとするとどうなるか。その消化不良な部分がそのまま「悩み」となって沈殿しつづける。言葉にするから悩みがふえるのだ。ホゲーッとしとけばいい。空想は一瞬にしておいて、あとは目の前のボールペンの先でも眺めておけばいい。現代人は、賢く生きようとするからパンクする。ただでさえ、家庭のこと、仕事のこと、遊びのことと最低三つの仮面を日々使い分けているのに。だからもうちょっとバカになってもいいと思うのだ。