書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

明日も一杯のコーヒーが飲める

 

朝は、豆挽きたてをブラックで。私の場合、一日のピークがいきなり朝に訪れる。体中の老廃物、不穏な感情、うるさい独り言。きたなくて不要なすべてのものが、どす黒い液体とともに流されてゆく。前日の鬱憤など何もなかったかのように。霧は晴れ、雑音は無音に変わる。明日もこんなふうにまた、最高の一杯を味わえる。味覚はより繊細に、脳はより冴えわたり、その眼差しは明日を見据えている。それと同時に、もう何も起きなくていい、何もしたくないという対局の感情が沸き起こる。そんな掴みどころのなさも、愛すべき点の一つにちがいない。この気持ちを一言で表すとしたらなんだろう。幸せ、と言葉に出すもすぐさま引っ込める。どこかズレている気がしてならない。やっぱり彼は掴みどころがない。