書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

上島竜兵さんに捧ぐ

 


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先日、上島竜兵さんが急逝された。

現在でも心の整理ができていない。毎日彼のことを思い出してしまう。

 

最初に知ったのは、その日私が会社に出勤したときだった。職場のテレビのテロップで最初に触れた。出勤時で時間がなかったが、流石に三度見くらいはしつつも自分の持ち場についた。その日もずっと仕事中、心ここにあらずという感じだった。だが結果的に、時間が経過した今日においても、まだ頭の中をぐるぐるまわっている。

 

そんな何も手につかない脱力状態の中、昨日14日夜の「情報7daysニュースキャスター」で上島竜兵さんについて報道されているのが目に入った。三谷幸喜さんと安住紳一郎アナが看板のニュース番組だ。

 

その中で、三谷さんのコメントが心に刺さった。安住さんが「三谷さん、悲しいですよね」とお話されたとき。三谷さんは「山や海といった自然を見て、感動することはあっても笑うことはありません。笑いというのは、人間だけが生み出せるものなんです。この先もずっと残る笑いを生み出すというのは大変なことです」とまぶたを赤くさせながら。

 

そのまましめっぽい内容になりそうなところを彼は「でもこれからは、熱々おでんを食べるときは必ず彼のことを思い出すわけじゃないですか。すごいですよね。それで彼ら(ダチョウ倶楽部)って熱々おでんを食べたあと、最後おたまで冷やすんですからね、もう最高ですよ」と締めくくった。

 

そこで安住さんは「最後はさすが三谷さんです。やっぱりコメディ界の方なので最後もそういうお話で締めていただいて」と。

 

番組冒頭からダチョウ倶楽部のコント映像が流れている中、他のコメンテーターの方は終始ハンカチが手放せない様子だった。これが自然の反応と思う。私も同じだ。

 

しかし、三谷さんと安住さんは二人とも涙を浮かべつつも、けっして涙を溢すことはなかった。きっと溢せばそれは大粒の涙だっただろう。それがまた悲しみを増長させる。そんなことのないように。最期くらいせめて笑って。泣き笑いに近い極限の表情で、彼らは、一人の英雄を見送っていた。