書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

とあるコーヒー店での出来事

 

数えるほどしか行ったことのない一杯800円〜のちょっと良い老舗珈琲店。さらにはジャコウネコでお馴染みのコピ・ルアクコーヒーも1800円でラインナップされている。といった感じの珈琲豆にこだわるお店での昨日の出来事。

 

メニューを見ながら何を飲もうか考えていた僕。そのとき隣の席で店員に対し「じゃあ、キリマンジャロで」という甲高い男性の声が聞こえてきた。ちらりと横目で見たら、メガネをつけていて、京大っぽさもあり、理系オタクっぽさもある同年代の男性であった。

 

そんな人が注文した「キリマンジャロ」を僕は無意識にオーダー候補から外していた。王道だが、僕が悩んだ挙げ句注文したのは、その店のこだわりブレンドだった。

 

そのこだわりブレンドが座席まで運ばれさっそく口に含んで舌鼓をうっていたら、今度は珈琲豆のテイクアウト希望という男性の声が店外から聞こえてきた。

 

さわやかな声で、IT系のできるサラリーマンという風貌のまたしても同年代の男性であった。彼は爽やかな声で店員に対しこう言った。「グアテマラをお持ち帰りでお願いします!」

 

それを聞いた僕は今度いつかグアテマラを試してみたいと思った。

コーヒーに罪はないのだが、合理的な判断を下したとはとても言い難い、日常によくありがちだけれど、妙に記憶に残る不思議な体験であった。

 

ただ、今後私がキリマンジャロを飲む日が来るかは分からない。