書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

人の心は悩みやすくできている

 

 これは僕の愛読書にある一文だ。突如誰かに「きつねの尻尾」と言われる。あなたは以後一度もそれを思い出さないふうにはできない。自分と全然関係ないことなのに、ある簡単なきっかけで頭の中を支配されてしまう。いま仕事等が緩和してきて、落ち着いてきているが、そんなときこそ些細な(問題になってない)ことまでも問題にしようとする。まるで常に悩んでいなきゃいけないかのように。だがそれも正解なのだ。人が何も考えないというときは、意識的にそうしているだけに過ぎない。何も考えないという行為は、何も考えないぞという強い自我意識の下で生まれるのだ。そのくらい、何も考えてない状態を自然に作るのは難しい。

 だから、悩める心で種々思い巡らし、その結果、まだまだ問題があるように思えてしまい些細なことを問題化しようとする。しかし心もまた頑張っている。いろんなまだ見ぬ脅威に備え、我々がビックリし過ぎないように、心は常に準備をしてくれている。だから、すぐ悩んでしまうというその事実に対し、さらに自分を責めたり悩んだりしてはいけない。むしろ、心のもつその機能は人間らしい心のもつ動きの正常な機能なのだ。新巻鮭を言われたら新巻鮭を、魔法使いサリーを言われれば魔法使いサリーを思い浮かべてしまうのが人間なのだ。

 しかしそれで落ち込むことはない。これから一生付き合ってゆく心だ。気持ちを切り替えたいときには音楽を、発想を転換したいときには本を、思いを共有したいときには会話を。悩みやすい心に対して、数多ある解決策を持つのもまた人間なのだ。