書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

マスクの奥の素顔を知ってる人、知らない人

 

 コロナでマスクが当たり前となった昨今。マスクはもはや正当な顔の一部と言っていいくらいだ。マスクをつけ忘れて外出しようものなら慌てて取りに帰るほどの重要物となった。もはやマスク忘れの深刻さは鍵の締め忘れに匹敵する。当然のことながら、マスク装着が日常じゃなかった以前の世界ではみんな素顔を知り合っている。だがそれ以降に知り合った関係性にある人たちの素顔は誰ひとり知り合わない。

 食事を共にでもしない限り、コロナが撲滅するそのときまで半永久的に素顔を知らないままということになる。マスクを取ってほしいと懇願することもできない。顔を突きあわせてこその人間関係。思いがいつまでも全体の6割くらいしか伝わってないんじゃないかという歯がゆさ。この事実に気づいたとき、ちょっと僕はウズウズしてしまった。

 このまま日が進む分だけ、マスク奥の素顔を知らないままの人がまた1人2人と増えていく。この妙な居心地ワルさに馴れることはあるのだろうか。