書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

オシャレな店で放つ「うわっぱり砲」

 

昨日は洋服に散財した。ある有名なブランドコートを買った。僕は普段オシャレな店に行かない。だけれど、服を買いたいと強く思ったときはそれなりの店に足を運ぶ。少々値が張ろうがより長く使えるという点から見れば、結局コストパフォーマンスは高いからである。昨日の店もその例外ではなくオシャレなセレクトショップだった。店に入ると必ず訊かれる第一声でさえ恐ろしい。それはオシャレショップ特有のものだ。「何をお探しですか?」出た出た伝家の宝刀。ナニヲオサガ死DEATH禍。危険信号脳内変換。僕みたいな、ファッションのスペルすら分からない者にとっては即死級の言葉である。ここで迂闊に「はい、コートを見に来ました」と言ってしまうと、それなりのシャレオツな類のやつが出てくるだろう。コートという単語はやたらめったら使うものではなく、TPOを弁えて使用しなければならい要注意ワードなのだ。かといって「ジャケット」なんてもっと言ってはいけない危険ワードだし。となれば、やはりあれしかない。ここで思いついたのが「うわっぱり」という訳だ。うわっぱりを辞書で引くと「衣服を汚さないために上に着るもの」とある。そのとーり。まさに私が追い求めていたのがコレだった。なんと無駄がなく、かつ気負いも一切感じられない、謙虚で美しい表現なのだろう。この言い方で、超ド級シャレオツ店員さんと肩を並べて同じステージで喋る必要性がなくなった。さぁ、もうここは俺の店だ。すべてをこちらの流れに引き込む「うわっぱり砲」にまさに勝るもの無し。