書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

自己啓発本の嫌いなところ

 

 書店において、自己啓発本がかなりの確率で大々的な告知とともに平積みされている。売上ランキングの一角を占めていることも多い。

 なぜ自己啓発本はオールシーズンを通して普遍的に売れ続けているのか。そこに切り込んでみる。

 


・学校で教えてもらえなかったから
(就職先でも教えてくれない、昭和生まれの先輩方による見て学べ方式)

 社会に出た者にとって直接利益となる授業科目などなかった。座学が基本で、知識を詰め込ませ、最後はテストで採点される。さらに社会人経験などほとんどブッツケ本番である。経験あるのみなのだから。不安定な心境下、何かに頼りたくもなる。それがベストセラーの自己啓発本である。

 みんなが読んでるし…直接役に立ちそうだから…なんとなく手にとってみる。その集積の結果が昨今の本の売上ランキングを形作っているのだと思う。

 


・成長したような気になれるから

 自己啓発本の執筆者は大抵がすでに成功者である場合が多い。そんな成功談(美談)に触れているだけで確かに心持ちはよくなるだろう。だがそれはあくまで、その筆者当人が編み出した、その人に最適化された、その人のための実践法でしかない。

 最も使いこなしているのは、当然ながら発案者である筆者なのだ。そして売上部数を伸ばすために聞こえのいい部分だけ取捨選択しているかもしれない。つまりあれは、成功法を編み出した経験者が、我々一般読者が読んでいて気持ちのいいところだけ抜粋されているだけのもの、という可能性も多分にあるのだ。

 


長々と述べてきたが、結論として私の言いたかったことは次のことである。


読書とは、出版社への投資ではない。
究極的には、自分への投資であるべきなのだ。


それを見極めたうえでの読書であるなら、それに勝るものはない。