「すみません」と「ありがとう」を混同している人がいる。私はそんな人に出会うたびに純烈に気になる。会社の席のすぐ隣にいるので、自分の中で今回まとめる意味でも書いてみた。
すみません
普段はやってもらうはずのない事柄なのに、他人にやってもらうこと。どちらかというと相手に迷惑をかけている状況なので、なるべく使いたくない言葉。それにどこか弱々しい。
ありがとう
何か贈り物をもらったとき、気遣いしていただいたとき、こちらの望みを聞いてもらえたとき等に幸せいっぱいで使う言葉。間違っても、ふだん自分がやるべき範疇のことを、他人が特別にしてくれたときに使う言葉ではない。それは本来ありえない意味での特別なのだ。ありがとうとは、ありがとうに値する行動が、事前にある程度想定されたときに使うもの。
だから、ありがとう(有り難う)なのだ。
だからといって、なんでもかんでも有難きこと=ありがとうではないのがミソ。というわけなので、他人がするべきでない、他人にしてもらう必要がない(いわゆる、お節介)にありがとうを使うのは矛盾が生じる。理詰めで冷静に考えているように思うかもしれないが、私の場合はそのセンサーが敏感に発達しているため、
いや今の、
「ありがとう」やなくて、「すみません」でしょ! 迷惑かけてるんだから、本来あなたの仕事だよね? とセルフツッコミを入れてまうのや。堪忍やで。
人の話に首を突っこめないし、これがほんの少しばかりの軽やかな抵抗である。
ここまで私は理詰めで冷静に語っている風を装っているが、やっぱり直感でこう思ってしまう。
ここまで明確に自分の中で線引きできているので、もちろん自分は「すみません」「ありがとう」の理想的な使分けをわきまえています。
以下例題を解いていきましょう。
バレンタインデーにチョコをもらった
日本の文化であり、ある程度貰い手側も想定できることなので、これは「ありがとう」
ホワイトデーにチョコをもらった
すでにバレンタインデーにチョコをもらったのに、ホワイトデーにもチョコを貰った。喜ばしく有難き出来事ではあるが、実は正解は「すみません」
ここでもし、ありがとうと返してしまうと、図々しいやつだ、欲深いあんぽんたんめ となり得るめ、ここは「バレンタインでも貰ってさらにホワイトでも貰って、申し訳ないなぁ〜すみません!」という大人の心を見せたい。
現場からは以上だ。