書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

ゲスの極み乙女ライブ2019「変人大集合」の感想〜変人とは誰のことなのか?〜

 

 

2019年12月20日 金曜日

19:00〜

 

ゲスの極み乙女。ライブに行ってきた。

@大阪フェスティバルホール

 

 彼らのライブには初めて行った。念には念を入れ、18時開場のところを17時40分に会場に到着した。しかし、少し遅かったようだ。すでにロビーではファン達がところ狭しと列を作っていた。その盛況ぶりを横目に私は足早にグッズ売り場へ向かう。キラーボールのタオル、キラーボールのパーカー、ゲスのロゴのキーホルダー等、楽しそうなグッズばかり。その中で私は、次のトートバッグを購入した。

 


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 GESUOTOMEと書かれたピンクの女の子が目を引くデザイン。仮面をいくつも持っているミステリアスなところがなんだかゲスらしい。さらに顔の部分をよく見ると、ゲスの「げ」が隠れている。正体は、輪郭までゲスに染まった女の子でした。こちらは完売したらしい。

 

 そして、いよいよ開演というとき。MCの若い爽やかお兄さんが、10秒前からカウントダウンを始めた。巨大スクリーンに10という数字がデカデカと映し出され、それは唐突に始まった。そして、MCはさらば青春の光・森田&石川蓮華に交代。「変人大集合」というテレビ番組、という構成である。ステージのカーテン上に、LIVEというテロップ付きで、ゲスの極み乙女。のメンバーが登場。その演出がすごくにくい。ステージのカーテン全体に大きく彼らが映し出されていたのだ! 

 そんな状況の中、「はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした」をいきなり歌い出すのはカッコ良すぎた。曲途中のどこかでカーテンオープン来るか?来るか!?と期待させつつ、結局彼らは最後まで演奏し切ってしまった。これまた痺れた.. この布切れ一枚の向こう側に、ゲスの面々がいて演奏していると思うと、やはり興奮で胸が抑えきれなかった。

 

 もうすでに早くも私は腹3分目という感じだった。あぁ、これがゲスの極み乙女なのだと確信させた。そこからはいろいろな変人さんたち総勢25名ほど(もちろんゲスのメンバーも含まれている)が楽曲に合わせて登場。中でも最も注目を浴びたであろう一発目の変人#1 ほぼジャック・スパロウは最高であった。実はこの方、一般人の方で、ゲスのメンバーで焼き肉を食べていたら、完璧なコスプレ姿でたまたま入店してきたのが彼だったという。顔も見た目もめっちゃジャック・スパロウだし、腰に銃を差してるし ということで今回のライブ出演が決定。いやはや、そのノリで自分たちのワンマンライブにその日知り合ったばかりの一般人を出演させるゲスの極み乙女もだいぶ変人である。という細かい各変人の馴れ初めエピソードも聞いてて非常に楽しかった。

 

 

 最後には、川谷絵音が今年のライブタイトル「変人大集合」について熱く語っていたシーンが今回のライブで一番心に残った。変人というのはそのまま変人という意味ではない。ぼく自身が実際いろんな" 変人 "に助けられたのだという。以下、つづく。前夜のことなので、記憶が多少違うところがあるかもしれないが、ご容赦いただきたい。

 

” 今回のライブで変人大集合というタイトルをつけたのは、ぼく自身がいろんな変人たちに救われたからです。ぼくには大学時代からずっと連絡をとり続けている友達が2人います。ぼくがいろいろあった時期、家から一歩も出られなくなって、誰かがインターホンを押しても出ないような毎日が続いていたとき、その友人の1人がぼくの家のポストに手紙を入れてくれたことがありました。そこには、こう書かれていました。「絵音に何が起ころうとも、僕はずっと絵音の友達だから」と。”

このとき、うつむき加減で細い目で語りかける川谷絵音の表情が印象的でした。

 

お話は現代のSNSに移り、

 

” 今の世の中、SNSではみんな本音を言う。だから当然、意図せず汚い言葉になってしまうこともある。それはキャッチボールに例えると、本気でストレートを相手に投げつけることに等しいことです。そうなると当然相手は捕れない。一方的に会話もそこで終わってしまう。リアルでそうなっていないのは、みんなが建前で会話をしているからだと思います。ぼくもリアルで生きている限り、建前で生きています。その、リアルで表現できない部分をぼくは、音楽にしてみなさんにお届けしています。そして、これからもぼくの本音を歌に込めていくので、みなさんこれからも応援よろしくお願いします。”

 

 この、彼の人生の分岐点にもなり得たような貴重な話をアンコールで話すところが彼らしい。最後に彼は、わざわざ" 変人 "としたのは、お世話になった人たちへの照れ隠しの意味もあるということを語った。まさに最高の音楽、最高のバンド、最高の仲間。それが私達にひしひしと伝わってきた。歌詞に込められたメッセージ以上のものを彼らから受け取ったような気がした。

 

最後は、メンバー全員で肩を組み大声で「ありがとうございました」と深々と一礼をして、ライブは幕を閉じた。

 

そして、ここからまだ続くのがゲスの極みです。

その後に流れた告知PV。

 

来年2020年。どうやらゲスの極み乙女は、ぶっ壊れるらしい。

 

私はこれからも彼らについていく。

その決意が今夜、さらに強固なものとなった。

彼らに心から、感謝と労いの言葉をおくりたい。

本当にありがとう。そして、お疲れさまでした。

 

帰りの電車の中、私はキラーボールをもう一度を何度でも聴いていた。