書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

雨は最高のBGMだ。

 


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あえて窓を開け、雨の音に聞き入る。物体は入って来られないようにして。濡れるのはあまり望まない。音だけでいい。そんな存在って、ちょっと雨の他に思いつかない。しとしと降る雨も、ばさばさ降る雨も、びゅーびゅー降る雨も全部おなじ。もっとも身近な自然の驚異。火のパチパチ燃えたぎる音、海のザーザー返す波音。これらと同じように、雨は我々の懐かしい部分を刺激し、掴んで離さない。雨音を聞きながら眠る夜も、雨音を聞きながら目覚める朝もなんかいい。


雨は、地面にこびりついた汚れ、枯れ葉、自前の靴の汚れとすべて洗い流してくれる。地上に傘の花が咲く。雨がふり、傘をさす。まるで法律で定められたかのような、あまりにも自然で規則的な行為に人間の本質を感ぜずにはいられない。文明の利器といえど、年月が経とうが、飛躍的に進化することなく形を変えず時代を歩み続けるものがある。


雨の日は、音楽などいらないと思える唯一の瞬間だ。雨は最高のBGM。晴れがつづくと、恋しくなり、毎日雨だと今度は鬱陶しくなる。つかず離れず、我々の生活、人生に寄り添ってくれるような自然を前に、今日の我々は何を思う。地面に足をついて立っていることの奇跡、そこに雨が降り注ぐ奇跡。どうやら案外、この見慣れた世の中というものは、小さな奇跡で構成されているらしい。