書くザトウクジラ

人類の幸せから、仕事の愚痴まで。

99人の壁がおもしろい理由を分析してみた。

 
  

新番組「99人の壁」とは?

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 毎週土曜19時00分から放送しているフジテレビ系「99人の壁」という番組をご存知だろうか。その今までにない革新的なスタイルで、新世代のクイズ番組と私は呼んでいる。司会は佐藤二朗。会場には100人の各界の達人たちが鎮座している。彼/彼女らはそれぞれ自分の得意ジャンルを引っさげて、このフジテレビに乗り込んできているツワモノ揃いの一般人たちである。海外観光地、奈良県、仏教、謎解き。先日の放送では得意ジャンル:カピバラという強者もいた。
 
 回答者は中央の回答席(以下、センターと言う)に移動させられる。単純に100人がセンターとなり得るのだから、用意しなければならない問題数も尋常ではない。スタッフ達は回答者一人につき、最低10問の設問を考えるという。
つまり、回答者100人✕10問で、1000問。さらに、それを毎回の放送で考案しているのだ。
 
 
 以上の事実だけでも、本番組が並々ならぬ熱意と情熱で作られたものだということが分かる。その立役者であるプロデューサーは、なんと20代というからさらに驚きである。才能もそうだが、このご時世に若者のチャレンジ精神をこれほど買ってくれる組織も少ないであろう。それが結果的に化物コンテンツを生んだのだから、まだまだテレビの底力は計り知れない。
 
 
 

クイズ ✕ 一般人 ✕ 佐藤二朗が起こす化学反応

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 それではいよいよ、冒頭で述べた、新世代のクイズ番組と呼べる由縁について触れていきたいと思う。まず回答者が答えなければならないのは、大きく6問ある。なんだたった6問かと思うだろう。これがまた絶妙な設問数なのである。最後の6問目を難なく答えると、回答者は100万円を手にすることが出来る。だが現状は、ほとんど獲得者は生まれていない。その原因は秀逸なゲーム性にある。
 
1問目、2問目と順に正解していけば、ブロッカー(センターではない他の回答者)が25人、50人と増えていくのだ。最終局面においては、番組名の由来である「99人の壁」ができあっているというわけだ。
その際に、改めて佐藤二朗が仕切り直して「それでは、参りましょう。クイズ99人の壁!」と言うところに感動を覚え、鳥肌が立ってしまうのだ。
 
 
 そんな佐藤二朗のMC回しは、初々しくて素晴らしい。ふだん面白さで人気のある彼なので、芸人との距離感、一般人との絡みまでもよく心得ている。その技量は、そこら辺のお笑い芸人よりずっと優れている。
 
この佐藤二朗の功績によって、今後は、俳優兼メインキャスターというのも一つの流れになるかもしれない。俳優が声優をやるという時代から、俳優がMCの時代へ。全身で総合的に演技できる才能というのは、やはりどの分野でも強いのだと認めざるを得ない。佐藤二朗がMCとして成長していく姿も、毎回の放送の楽しみである。
 
 
 

 予測不能な人間ドラマ

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 特に熱いのが早押し対決だ。自分の専門外から、正解を奪われる恐怖。ブロックボーナスとして、賞金3万〜5万が回答者にわたる。だから、必死でみんなブロックしにくる。センターもそれが分かっているから、なおさら燃える。しかし、どの分野の業界人からブロックされるのかまでは全く分からない。
 
 予測不能な危険性からくる精神的ダメージは、視聴者が眺めている以上にあると思う。自分の専門外からブロックされたときの悔しさは、ひとしおであろう。
 
それにしても、反撃のできるクイズ番組など、今までにあっただろうか。
 
観るたびに視聴者が賢くなれるクイズ番組はもう古い。
 
これからは、
 人間ドラマ渦巻く、クイズバトルの時代 なのだ。
 
涙あり、笑いあり。
感情の総動員を余儀なくされる、99人の壁。
それは明らかにクイズ番組の範疇を超えている。